4月3日付の本紙に載った記事に、虚をつかれる思いがした。

 日中戦争や太平洋戦争が原因で精神疾患を発症した日本の旧軍人・軍属に国が支給してきた療養費の最後の対象者が、2021年に島根県内で死去していたことが厚生労働省や県の記録で分かった、という内容だった。

 どこの誰かは分からない。県は個人情報に該当するとして、性別や死因も明らかにしていない。入院はしていなかったという。

 戦争の影響で心身をむ...