出雲市多伎町の地滑りに伴うJR山陰線の一部運休により、大田、出雲両市をまたいで通学する高校生が始業時間に間に合わなくなっていた問題で、島根県教育委員会とJR米子支社が26日、通学代行バスを27日朝から走らせると明らかにした。JR米子支社が温泉津―田儀間で運行する臨時列車より通学時間が30分~1時間ほど短縮でき、利便性が高まる。 (佐々木一全)

 通学代行バスは出雲市方面に向かう上りが田儀―出雲市、波根―西出雲、波根―出雲市の3本で、大田市方面に向かう下りが小田―田儀、江南―大田市、江南―仁万の3本。いずれの便も午前6時50分~7時20分に出発し、列車との乗り継ぎにも配慮して時間を決めた。利用は通学定期券を持っている生徒に限る。

 JR米子支社は25日から温泉津―田儀で臨時列車を運行し、高校生は始業に間に合うようになった。ただ、出発時間が午前5時台と早く、学業への悪影響を懸念した県教委がさらなる負担軽減策を検討。バスや運転手の確保の協議を進めた。

 県立高校では出雲市方面行きで約70人、大田市方面行きは約30人が利用する見込み。26日の県議会文教厚生委員会で報告した野津建二教育長は「生徒にとって通常と変わらない状態を、いち早くつくる必要がある」と説明した。

 JR米子支社が運行する臨時列車はこれまで通り継続する。