未確認生物「ニタゴン」発見を知らせる山陰中央新報の記事
未確認生物「ニタゴン」発見を知らせる山陰中央新報の記事
未確認生物「ニタゴン」発見を知らせる山陰中央新報の記事

 1996年6月23日、島根県の旧仁多町(現奥出雲町)でカンガルーに似ていて跳ねる小動物が見つかり「ニタゴン」と名付けられた。70年代にブームになったヒバゴンやツチノコと同様に未確認生物かと一時、話題になった。捕獲されており、すぐに正体が解明されたせいか、地元では忘れ去られたが、今なお未確認生物ファンから問い合わせがあるといい、町おこしに生かせる可能性を秘める。 (清山遼太)

 旧仁多町三沢の住宅団地で散歩中の住民が見つけ、捕獲した。体長約40センチ。全身が茶色で体毛は短く、細い手足と大きく立った耳が特徴。顔つきは鹿か犬のようで、ぴょんぴょん跳ねたという。山陰中央新報がニタゴンと名付けて報じた。

 発見者から預かった近くの友人・荒砂憲一郎さん(74)は「最初は鹿の子どもかと思った。何とも不思議な動物だった」と振り返る。ウインナーや牛乳をよく口にする姿が印象的だったという。自宅近くの山に放したが、逃げる様子がないため、再び保護した。

 周囲に聞いても正体は分からないまま。知人を経由した後、県の木次農林振興センター(雲南市、現在の東部農林水産振興センター)に渡り、県立三瓶自然館サヒメル(大田市)で鑑定したところ、生後約3カ月の子ギツネと判明した。

 当初、正体不明だった点について当時、主任指導員として鑑定に当たった大畑純二さん(72)=益田市下本郷町=は「皮膚病で、キツネの特徴でもある長い体毛が抜けていたことが原因」と指摘する。

 その後、地元ではすっかり忘れ去られ、名前すら知らないという住民も多い。ところが、今もインターネット上で時折、話題になり、未確認生物を扱う書籍にも載っている。県東部農林水産振興センターによると、ニタゴンに関する問い合わせがたまに舞い込むという。

 奥出雲町に隣接する広島県の旧西城町(現庄原市)では70年代に町内でヒバゴンの目撃情報が相次いだ。キャラクター化して看板に描くなど町おこしに生かしており、今なおヒバゴンは住民に愛されている。NPO法人・西城町観光協会の山口和男会長(50)は「もしニタゴンがキャラクター化されれば、何かしらの形で共演したい」と一体的な情報発信に期待する。