東南アジアの小国・ラオスを外国人が児童買春目的で訪れて問題化している。共同通信記者は昨年、首都ビエンチャンで少女を集めた複数の売春拠点を特定し、日本人男性客3人が「10歳」の少女を指名する様子を報道。反響を受けて今年は背景を探るため、中部の農村を取材した。コンビニもスーパーもない村で夜、記者が見たものとは…(共同通信バンコク支局=伊藤元輝)

 ▽手作業で田植え、のどかな農村で…

 広がる田んぼと連なる山々。ラオス中部ビエンチャン県の農村は日本の田園風景にも似てのどかだった。ちょうど田植えの時期で、農家の人たちが泥まみれになりながら手作業で水田に稲を植えていた。市場では女性たちがタケノコや野菜、きのこに食用ネズミなどを並べている。昔ながらの暮らしぶりに、タイムスリップしたような感覚を覚える。

 ラオスは社会主義一党独裁体制でリスクもあることから、村のある女性に事前に協力を頼み、通訳と案内役を担ってもらった。女性はこの村に多く住む少数民族のクムー。クム族やカム族と呼ばれることもあり、独自の言語...