4代目の水族館だった建物前でガイド(右端)から解説を受ける参加者=松江市美保関町美保関
4代目の水族館だった建物前でガイド(右端)から解説を受ける参加者=松江市美保関町美保関

 松江市美保関町美保関にあった四つの水族館を起点に、地区の自然や観光の歴史をひもとく会がこのほど、現地であった。参加者31人が水路から陸路へと時代が移り変わる中で、積極的に変化した町の姿に思いをはせた。

 主催した任意サークル「生きもののわ」によると、1925年に初代が開館。断続的に2004年まで運営されていたという。

 出雲国ジオガイドや地元の郷土史家ら4人が座学や案内による解説を担当。海上交通の要所として栄えた美保関は明治以降、陸路の発達で美保神社を核とした観光地への転換が図られ、集客施設となる水族館が作られたと紹介した。

 初代水族館はサルや鳥の小屋、大浴場や食堂もある先進的なレジャー施設で、今も建物が残る4代目は地元の漁協が漁業の後継者を育てようと整備し、釣り堀もあった。田村葉子代表(57)は「美保関の未来を切り開こうとした人の姿が見える」と説いた。

 水族館マニアという、東京都江戸川区の会社員川上史朗さん(51)は「水族館に釣り堀を併設したケースは珍しい。来たかいがあった」と満足げだった。

 サークルは美保関の水族館に関する情報を集めている。
 メール tunaguikimono@gmail.com 

(森みずき)