島根県奥出雲町三沢(みざわ)地区で、戦国大名・尼子(あまご)氏の支城「尼子十旗(じっき)」の一つ、三沢城を訪れる登山客の受け入れ態勢強化が進む。住民らが登山道に歴史を解説するQRコードを設置し、地元の児童が武将や足軽をイメージしたキャラクターを考案。歴史ファンを呼び込み、地域活性化につなげる。
三沢城は、要害山(標高418・5メートル)に築かれた中世の山城。稲作やたたら製鉄で、出雲国最大の国人に成長した三沢氏の拠点とされ、現在も石垣や土塁といった遺構が良好に残る。
QRコードは、三沢公民館などでつくるみざわ歴史探訪の会が作成した。本丸や二の丸付近の看板をはじめ、15カ所に設置。スマートフォンのアプリで読み込むと、各施設跡の概要や歴史を音声ガイドで知ることができる。
イメージキャラクターもできあがった。三沢城の歴史を学ぶため、毎年春の山城祭で登山している三沢小学校の児童が考案したキャラクターを、城跡の保全に取り組む要害山三沢城跡保存会が採用した。猫と武将を合わせた「にゃんたいしょう」と、足軽を模した「さんじょう丸」の2種類。QRコード付きの看板で見ることができ、登山客を迎え入れる。
三沢公民館の宮川俊治館長(66)は「今後は史跡を巡るマップ作成にも取り組み、三沢の歴史を多くの人に知ってもらいたい」と話している。 (清山遼太)