2021年、ショパン国際ピアノ・コンクール2度目の挑戦で第4位に輝いたピアニスト小林愛実。10月に来日するポーランドのオーケストラ、シンフォニア・ヴァルソヴィアのツアーでは、ショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏する。ショパンの演奏には人一倍思い入れがある小林に、その魅力やコンクールの思い出を聞いた。(取材・文 共同通信=田北明大)

 ―10月の公演では、2021年のショパンコンクールでも弾いたピアノ協奏曲第1番を演奏します。この曲への思い入れは?

 「14歳の時のリサイタルで披露してから弾き続けていますが、いまだに100%納得して弾けたことはないんです。ショパンが若い頃の曲で、これからどれだけ自分の力量を見せ...