熨斗を描いた風呂敷(左上)など大胆でユニークな柄があしらわれた筒描きを紹介する岡宏三専門学芸員=出雲市大社町杵築東、島根県立古代出雲歴史博物館
熨斗を描いた風呂敷(左上)など大胆でユニークな柄があしらわれた筒描きを紹介する岡宏三専門学芸員=出雲市大社町杵築東、島根県立古代出雲歴史博物館

 【出雲】デザインが特徴的な木綿の布地や布団地を集めたミニ企画「筒描(つつが)きと絣(かすり)」が出雲市大社町杵築東の島根県立古代出雲歴史博物館で始まった。中心に大きな熨斗(のし)が描かれた筒描きの風呂敷など大胆な柄や、凝った模様があしらわれた12点が並び、目を引く。10月18日まで。

 筒描きは、防染用ののりを筒から搾り出して模様を描き、染める技法。幕末ごろ、山陰地方は全国有数の木綿生産地で筒描きや絣も盛んに作られたという。

 会場には明治~昭和期に作られた筒描き6点と広瀬絣、弓浜絣、倉吉絣計6点を展示した。筒描きの波打つ模様の布団地は絹の光沢を表しているよう。足拭きは用途を示すように足形が描かれており、どれも斬新でユニークなものばかり。

 絣は格子にコイを重ねた布団地や残った絣糸を織り上げたしま模様の布地など、おしゃれで優れたデザインが並ぶ。

 岡宏三専門学芸員は「デザイン性が高く、現代的で新鮮さもある。古い物という先入観をなくして見てほしい」と話した。

 展示は常設展の入場料、一般620円、大学生410円、小中高生200円で観覧できる。9月21日は休館日。  (月森かな子)