わらのヘビを手に地域の安寧を祈願する神職ら=島根県邑南町日貫、大原神社
わらのヘビを手に地域の安寧を祈願する神職ら=島根県邑南町日貫、大原神社

 【邑南】島根県邑南町日貫、大原神社で4年に1度ある式年祭に合わせた大元神楽の奉納が、13日夜から14日朝にかけてあった。日貫地区の神楽社中ら6団体や神職が夜通しで神楽を舞い、地域の安寧を願った。

 13日午後7時、舞い手が舞台の四方を清める「四方(しほう)堅(かため)」で幕開け。神職の儀式舞に続いて社中らが、大元神楽特有の六調子で「塵輪(じんりん)」や「鍾馗(しょうき)」など15演目を舞った。

 最終演目は14日午前7時半頃。神職と氏子が、生死の象徴とされるヘビに見立てたしめ縄を持ち、舞台の四方を巡ったり、縄を柱や天蓋(てんがい)に巻き付けて大きく揺すったりして、災厄を振り払った。縄は近くの大元神社の木に巻き付け、地域を見守るよう祈った。

 4年前の前回は新型コロナ禍で規模を縮小して開催したため、8年ぶりに通常の開催になった。大原神社の静間元宮司(56)は「この奉納を見るのが生きがいだと言ってくださる人もいてありがたい。今後も厳かに続けていきたい」と話した。

(吉野仁士)