しょうゆは、刺し身や煮物など和食には欠かせない調味料だ。みそ、日本酒と同様、発酵によって造られる。この「ソイソース」は今や海外でも生産される、日本発の世界的なシーズニングだ。いつ生まれたのか。幾つかの産地を訪ねた。

 和歌山県湯浅町は日本遺産「『最初の一滴』醤油(しょうゆ)醸造の発祥の地」に認定されている。その物語は鎌倉時代に始まる。

 禅僧覚心が宋に渡って修行の傍ら、径山寺味噌(きんざんじみそ)の製法を習得し1254年に帰国。この夏野菜を漬け込むなめみそを湯浅で教え、今の金山寺味噌となる。味が魅力的なおけにたまった液を増やそうと工夫し生まれた-。 ...