亀治米を鎌で刈り取る荒島小の5年生=安来市西赤江町
亀治米を鎌で刈り取る荒島小の5年生=安来市西赤江町

 安来市荒島町、荒島小学校の5年生20人がこのほど、校区内の水田で、明治期に荒島地区の先人が育種したコメ「亀治(かめじ)米」の収穫を体験した。児童は黄金色の穂を実らせた亀治米が植わる田に入り、丁寧に刈り取った。

 児童は栽培農家の原田吉郎さん(68)=安来市西赤江町=の水田2・1アールで、原田さんや荒島地区活性化推進協議会のメンバーらの手ほどきを受け、鎌で刈って6株ずつ束ねた。

 原田さんは「亀治米ができて今年で150年目の収穫。植物を育てることは天候に左右される」と児童にコメ作りの歴史や大変さを話した。

 加藤煌心(せな)さん(11)は「稲刈りするのは初めて。大変だけど慣れてきたら楽しい。食べるのが楽しみ」と話した。

 亀治米は広田亀治(1839~96年)が1870年に発見し、75年に品種として確立させた。昭和初期まで西日本各地で栽培されたが、食味に優れた品種や農薬の普及で廃れた。1995年に地区住民が復活させ、荒島小の古里学習に取り入れられた。

 収穫したコメは児童が家庭で食べるほか、世話になった住民たちにおにぎりを作って振る舞う。

(中山竜一)