「第45回ハワイ国際映画祭」に参加した映画『宝島』大友啓史監督
「第45回ハワイ国際映画祭」に参加した映画『宝島』大友啓史監督

 大友啓史監督、妻夫木聡主演の映画『宝島』(公開中)が、米ハワイ・ホノルルで開催された「第45回ハワイ国際映画祭」で現地時間18日、インターナショナルプレミア上映が行われた。今回、沖縄からの移民がハワイへ渡ってから125周年を迎えることを記念し、沖縄とハワイの間に築かれてきた永続的な絆を称える特別企画として新設された〈Spotlight on Okinawa〉の作品として招待された。

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 上映会場となったホノルル・カハラモール内の「Consolidated Theatres Kahala」には、上映前から長蛇の列ができ、若者から高齢者まで幅広い世代と人種の観客が詰めかけた。会場は立ち見が出るほどの満席となり、3時間を超える上映後には大きな拍手が起こった。

 現地では、大友啓史監督が登壇して、観客とのQ&Aセッションも行われた。映画化を決めた理由について、大友監督は「アメリカに統治されていた時代の沖縄を、日本国内の本土の人間がしっかり知らなければならないと思った。戦争が終わった後、絶対的な強者と弱者の間で何が生まれるのか。その残酷な現実を伝えたかった」と語り、「戦果アギヤーの若者たちは、生きるために必死で、生命力と粘り強さを持っていた。今の時代にも通じるメッセージがある」と思いを述べた。

 さらに、「ウクライナやガザなど、いま世界で起きている出来事と、この時代の沖縄には重なり合うものがたくさんある」とも語り、平和への強い願いをにじませた。

 また、英題「Hero’s Island」について問われると、「沖縄がなぜ宝の島と呼ばれているのか?ということを皆さんに考えてほしい。沖縄には『命どぅ宝』という言葉がありますが、命こそが宝であるということを、もう一度知ってほしいという思いが一つ強くありました。ヒーローというのは、歴史に名は残らなくても、大切なものを守ろうと人知れず生き、亡くなっていく無名の人たちのことなのではないか」とタイトルに込めた想いを明かしていた。