訓練で消防職員に症状を伝える外国人住民(手前中央)=島根県吉賀町六日市、町民六日市体育館
訓練で消防職員に症状を伝える外国人住民(手前中央)=島根県吉賀町六日市、町民六日市体育館

 島根県吉賀町で暮らす外国人を災害時に支援するための研修がこのほど、同町六日市の町民六日市体育館であった。参加した外国人23人が、救急現場での症状の伝え方を実践方式で学んだほか、日本人7人と避難所の生活や設営方法を学んだ。

 同町に住む外国人は近年210人ほどで推移し、比率は1月時点で3・6%と、県内で最も高い。

 研修では、外国人住民がけがや不調の症状を正確に伝える訓練をした。音声翻訳アプリや通訳会社を通し、益田広域消防本部の職員に症状を説明した。

 日本人参加者は、外国人が分かりやすい「やさしい日本語」の使い方を学んだ。その後、外国人住民とテントや簡易ベッドの組み立て方法を学び、非常食を食べる体験で交流した。

 2年前にフィリピンから同町へ移住した技能実習生のレリオレス・ジェリー・イノセンシオさん(31)は「救急隊にどう症状を伝えるか分かった。災害や病気の時に役に立つ良い経験だ」と話した。

 同イベントは2022年に続き2回目で、島根県、吉賀町、しまね国際センターが主催した。(堀尾珠里花)