社会貢献への葛藤を明かした池田エライザ (C)ORICON NewS inc.
社会貢献への葛藤を明かした池田エライザ (C)ORICON NewS inc.

 俳優の池田エライザが4日、都内で行われた『第38回東京国際映画祭(TIFF)』の「エシカル・フィルム賞」授賞式に登場。映画を通しての社会貢献への葛藤を口にした。

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 同賞は審査委員長を務める池田に加え、第38回東京国際映画祭で学生応援団を務める3人の大学生が審査を行った。受賞作品の発表後にはトークセッションが行われ、それぞれがノミネート作品と審査内容を振り返った。

 トークセッションの最後には、同賞の審査に参加したことでどう感じたのか、どう映画とかかわっていきたいのかを聞かれ、池田は「私自身も俳優と、映画監督として映画にかかわらせていただいてるんですが、本当に個人的にずっと悩んでいることで」と前置きしたうえで、「映画を通して世間の役に立ちたい、誰かを救いたいって願いを再現していくのは実は遠回りで、本当は自分自身がもっと動いてボランティアに行ったほうが早いんじゃないかって、悩み続けていたんです。いまも悩んでいるんですけど」と葛藤を吐露した。

 また「エシカルフィルム賞に参加して、映画の必要性を再確認できたら私にとってもすごくすばらしい機会になるんじゃないかなと思って」と審査員長就任を受けた心境を明かし、「今回エシカルフィルム賞だからこそ、映画を通して私も心救われたし、こうやって手をさしのべていくことは可能なんだなって」と得たものがあったと明かした。「これからも俳優業監督業に、才能がある監督やクリエーターのみなさんに嫉妬しながらまい進して行きたいなと思いました」と笑顔を見せた。

 同賞は、映画を通して環境、貧困、差別といった社会課題への意識や多様性への理解を広げることを目的として、2023年新設。東京国際映画祭にエントリーされたすべての新作の中から「人や社会・環境を思いやる考え方・行動」という「エシカル」の理念に照らしてノミネートされた3作品『アラーの神にもいわれはない』(アニメーション部門出品)、『キカ』(ワールドフォーカス部門)、『カザ・ブランカ』(ワールドフォーカス部門)の中から、『カザ・ブランカ』が選出された。