【隠岐の島】島根県隠岐の島町の地域住民総出の祭りで県指定無形民俗文化財「隠岐武良祭風流(むらまつりふりゅう)」がこのほど、同町中村で営まれた。二つの神社から出たみこしが会所に集まり、いにしえから受け継がれた独特の神事の所作や舞が披露された。
2年に1度営まれる島後三大祭りの一つで、太陽と月の融合がテーマとなっている。近くの一之森神社から月神の象徴ウサギの尊形、同町元屋の八王子神社からは日神の象徴八咫烏(やたがらす)を掲げた神幸行列が、町立北小学校前の会所に向かった。
会所で合流した行列は広場中心にある唐傘の松の周囲を歩き、頬に赤い丸の化粧を施したはやし方の「陰陽胴」が天を仰ぐような独特の所作で太鼓を打ち鳴らした。神事では子どもたちによる「浦安舞」や「神相撲(こずま)」が奉納され、近くの町道では神馬が駆け巡る騎馬や流鏑馬(やぶさめ)が勇壮に行われた。
香港のテレビ局「ViuTV」の日本の離島を巡る旅番組「入島日本喇!」で取材に訪れたリポーター、沈殷怡さん(31)は「神秘的な体験ができて光栄だった」、王頌茵さん(30)は「歴史ある装束がすてきだった」と感動した様子だった。
(鎌田剛)













