3日の菅義偉首相の退陣意向表明に関連して、山陰中央新報の「さんいん特報班」は、無料通信アプリLINE(ライン)で、今後求められる新型コロナウイルス対策や次期リーダーに求める点を、島根県内を中心とした有権者に聞いた。

 菅氏の総裁選出馬断念と退陣意向については、肝心のコロナ対策でリーダーシップを発揮できなかったとして「仕方ない」とする意見が多数を占めた。「自らの言葉で国民にコロナ対策の協力を訴える姿勢が全く感じられなかった」(雲南市、60代男性)「コロナ対策の会見は生気のない目でプロンプター(原稿映写機)を見つめながら、国民が期待する言葉が全くない原稿の棒読みだった」(松江市、60代男性)との厳しい声が相次いだ。

 ただ、コロナ対策は誰がやっても難しく、難局で一枚岩になれなかった自民党自体に問題があるとの声も根強い。松江市の50代男性は「ワクチン接種や抗体カクテル療法によってもうすぐ明かりが見えたのにと思う。右往左往して1年でリーダーを引きずり下ろす自民党のあり方に疑問がある」と苦言を呈した。

 次の自民党総裁や衆院選を経た新首相にとってもコロナ対策をどう動かすかが最大の課題となる。

 当面の施策は、法改正などによるコロナ病床の確保やワクチン接種の着実な推進のほか、「野戦病院を早急に開設すべきだ。施設がなければ大型クルーザーを借り切っても良い」(松江市、60代男性)などといった提案があった。

 中長期的に進める対策としては「ワクチンの国産化増進のために、前例にとらわれない法改正や資金供与を進める」(松江市、70代男性)との声が上がった。

 対策を推進するリーダーへの注文は、国民に理解してもらう発信力が必要との意見が多かった。自民党では衆院鳥取1区選出の石破茂元幹事長や、岸田文雄前政調会長、河野太郎行政改革担当相を推す声が複数あった。一方「国民の命を守ってくれる政府なら、自民党でなくてもいい」(松江市、50代女性)と政権交代に期待する声も聞かれた。

 ※ 山陰中央新報デジタル(Sデジ)ホームページにも意見を紹介しています。