島根県内で自宅療養中の新型コロナウイルス患者の往診などに協力する意思を示す診療所が現時点で3割に満たないことが5日、県医師会が県と連名で実施したアンケートで分かった。具体的な役割が見えないことや、防護服の扱いに不慣れなことが躊躇(ちゅうちょ)する理由とみられる。診療所との連携構築はコロナ病床の逼迫(ひっぱく)を防ぐために欠かせず、早急にノウハウを共有し、説明を尽くして理解を得る必要がありそうだ。 (多賀芳文)

 アンケートは「至急」と記し、8月23日付で県内の診療所約500施設に送付。訪問看護師による電話相談▽往診▽オンライン診療(処方箋と看護師への指示書発行を含む)ーの3項目の可否を尋ね、27日までに協力可能な診療所は返送するよう求めた。

 県医師会によると、9月3日までに協力の意思を示す回答を寄せたのは全体の26%に当たる約130施設。エリア別の内訳は、邑智郡63%、雲南市48%など中山間地域で高かったものの、感染者数が多い松江市が21%、出雲市は17%と低かった。

 自由記述欄には、かかりつけの患者のみ対応したい▽患者のプライバシーに関する問題が懸念される▽24時間対応は難しいーといった記載もあった。今回、回答を見送った松江市内の開業医は取材に対し「求められる具体的な治療などの情報が少なく、防護服の脱着のノウハウにも不安がある。責任が持てないと判断した」と話した。

 現状について県医師会の森本紀彦会長は、ワクチン接種などで既に各診療所に一定の負担がかかっているとの認識を示した上で「急なお願いにもかかわらず多くの回答が得られたと思っている。一人でも多くの医師に加わっていただけるよう努力したい」と強調。新型コロナの流行は長期化が予想され、感染者が安心して自宅療養できる体制の構築が不可欠となっており、県は今後、情報提供や講習に力を入れ、開業医の不安の解消につなげるとした。