日の暮れた山里に太鼓の音が鳴り出すと、世間話をしていた人たちがおもむろに列をなし、踊り始めた。2018年の夏。岩手県遠野市に移住し3年目を迎えていた富川岳(とみかわ・がく)(38)は、郷土芸能のしし踊りの練習風景を目の当たりにした。
小さな公民館の敷地のぽつんとした明かりの中、音と共に踊りの世界に入っていく男女に見とれた。そのつもりはなかったのに、程なくして自分もそのうちの一人になった。毎年5月ごろに踊り始め、秋まで断続的に催される祭りが本番だ。
しし頭をかぶり、息苦しさ...
日の暮れた山里に太鼓の音が鳴り出すと、世間話をしていた人たちがおもむろに列をなし、踊り始めた。2018年の夏。岩手県遠野市に移住し3年目を迎えていた富川岳(とみかわ・がく)(38)は、郷土芸能のしし踊りの練習風景を目の当たりにした。
小さな公民館の敷地のぽつんとした明かりの中、音と共に踊りの世界に入っていく男女に見とれた。そのつもりはなかったのに、程なくして自分もそのうちの一人になった。毎年5月ごろに踊り始め、秋まで断続的に催される祭りが本番だ。
しし頭をかぶり、息苦しさ...