食欲の秋。新米が店頭に並ぶと恋しくなるのがおにぎりだ。ご飯と具、パリッとしたのりの至福の組み合わせ。ふっくらした〝握らない〟おにぎりとして有名な東京・大塚のおにぎり専門店「ぼんご」の代表右近由美子さんに作り方を聞いた。
「なるべくご飯とご飯の間に空気を入れ、口の中でほろっとほぐれる感じがいいと思います」。右近さんは専用の型にご飯と具を入れ、型から外すと、手の中ではほんの少し形を整える程度で、後はのりに包んで完成。
プロの技はまねできそうにないが、自宅でもできる方法を教えてもらった。ラップを敷いた茶わんに粗熱を取ったご飯を入れ、具をのせ、その上にご飯をかぶせる。開いたラップ上部を合わせて茶わんから持ち上げたら、ラップ上部をきゅっ、きゅっとねじるだけだ。
「そのまま置いといたら冷めてきて固まりますから。どうしても三角形がいい場合は柔らかく形を整えるぐらい。ぎゅっと握りたくなっても、もう触らない!」。食べる直前にのりをまけばパリパリの食感が楽しめる。
ご飯を炊く際は水温に注意を。沸騰するまでの時間が短いと米の甘みを十分に出せないため、冷水から炊くのがいいという。水温が高い夏などは米をといで水分量を量ったら冷蔵庫で冷やすのがお勧め方法。「水の量はお茶わんで食べる場合より気持ち少なめに。冷やすのは2時間ほどが理想ですが、寝る前に冷蔵庫に入れ、朝起きてそのまま炊いてもいいです」
炊けたら十分に蒸らし、粗熱を取っておにぎりを作ろう。子どもと一緒ならご飯の量を減らし、小さな玉をいっぱい作っても楽しい。「具は卵焼きでも残った唐揚げでも何でも。具はちょっと濃いめの味付けで多めに入れるとおいしいですよ」
★お薦め具材★
おにぎり専門店「ぼんご」の代表右近由美子さんにお薦め具材や作り方を聞いた。どの材料も分量はお好みで。
【卵黄しょうゆ漬け】
卵を冷凍庫で一晩凍らせる。ひびが入っていれば、凍っている合図。自然解凍し、割ると白身と黄身が別々になる。キンカンのように丸い黄身をしょうゆに3~5時間ほど漬ける。
【ツナマヨネーズ】
ポイントは、ツナ缶の中身をキッチンペーパーなどできつく絞り、油をよく切ること。ツナにしょうゆを少し垂らし、マヨネーズであえる。
【サケマヨネーズ】
サケにゆずこしょうを加え、マヨネーズであえる。ゆでた鶏のささ身で作ってもおいしい。
【唐揚げマヨネーズ】
マヨネーズにしょうゆを少し垂らし、細かく刻んだ唐揚げをあえる。七味唐辛子を加えれば大人向けの味に。
【めんたいミョウガ】
めんたいこにごま油をちょっと入れ、刻んだミョウガとあえる。お酒のおつまみにも。