短歌 丸山恵子選
まぼろしの島へ帰ってゆく鳥のむらさきの羽もうすぐ夜明け 雲 南 熱田 俊月
【評】夜明け前の闇が仄(ほの)かに明るむ気配。「まぼろし」「むらさき」の仮名表記が効果的。夜と朝、夢と現(うつつ)などさまざまな〈あわい〉を感じさせる。
秋といひ夏に戻りゐるありさまのひる顔の花 蜂死にてゐる 江 津 山根 喜代
【評】幻想的な歌。花期を永らえて美しく咲くヒルガオと蜂の死の対比が印象的。花の名に「顔」とあり人のような表情を持つ花を想像してしまう。
いつしかに風はさやかに北向きに吹きてす...












