短歌 丸山恵子選

水高のカッターボート三隻は「飛鳥」の銅鑼(どら)にオールを立てる   江 津 井原 芳政

 【評】クルーズ船飛鳥の寄港を水産高校カッター部がオールを立て歓迎している。三隻という具体により情景が映像として浮かぶ。勇壮で爽やか。

「パリ!パリ!」と新聞ひらく音のして補聴器デビューの卓はにぎやか   安 来 日原 昌子                      

 【評】驚きや感動を言葉に刻み、他者と分かち合うという短歌の特性を味わえる歌。補聴器を先に言わず自身が感動した「音」から入る語...