立憲民主党は17日、子どもを対象にした新型コロナウイルス対策の緊急提言を発表した。学校や家庭での感染拡大を防ぐため、教職員や保育士、12歳以上の受験生ら希望者へのワクチン優先接種が主な柱。枝野幸男代表は、政府が進める公立病院の再編・統合方針に関して、次期衆院選の政権公約で公立病院維持を強く訴えていく考えを表明した。
提言では、感染が広がる地域での定期的なPCR検査や、中等症以上の子どもが入院治療を受けられる体制整備、子どもの発熱時の対応明確化が必要だと指摘。休校時でも午前中は学校が子どもを預って給食を出すなど、居場所の確保も重要だとした。各家庭がオンライン授業に対応する通信環境の確保も訴えた。
枝野氏は国会内で記者団に「子どもを守ることが全体の感染を抑え込む上で重要だ。政府はすぐに実施するよう求める」と強調した。近く政府に提出する。
17日午後、明石市立市民病院(兵庫県)の病院職員らからコロナ禍での医療現場の現状をオンラインで聴取。枝野氏はその後、公立病院を巡る政府方針に関し「公立病院をなくせばいいという流れを百八十度転換する。これは政権公約の大きな柱だ」と語った。
コロナ禍も踏まえ、現状では「命を守る医療ができなくなる」として、地域医療を再生させる考えを示した。