パレスチナ自治区ガザの戦闘は2025年10月に停戦が発効したが、その後もイスラエル軍は攻撃を続け、ガザでは停戦後、パレスチナ人600人以上が犠牲になった。ガザ保健当局によれば、2023年10月の戦闘開始後の死者数は7万2千人を超える。イスラエルはなぜパレスチナ人を攻撃するのか。背景を読み解く鍵は、イスラエル建国の思想的基盤となった「シオニズム」にある。シオニズムは、米国とイスラエルによるイラン攻撃とも密接に関係する。「ユダヤ人の民族的拠点をパレスチナに築くことを目指す思想・運動」と定義されるシオニズムはどのような背景で生まれ、イスラエル建国後はどのような変遷をたどったのか。現在、イスラエル北部ハイファで在外研究を続け、2025年11月に『シオニズム―イスラエルと現代世界』(岩波新書)を出版した東京大の鶴見太郎准教授に聞いた。(平野雄吾 共同通信外信部・前エルサレム支局長)

 ▽ポーランドへの憧れ

 ―著書で、19世紀後半~20世紀前半...