―みなとテラス(境港市)やキナルなんぶ(鳥取県南部町)などの大型公共施設の設計を数多く手がけています。
都会にはたくさん居場所がありますが、地方は少し時間が空いた時に過ごす場所や待ち合わせする場所が多くはありません。1時間でも、半日でもいたいと思えるような地域の居場所になる空間づくりを目指しています。収益性の高い工場や倉庫の設計の受注も必要ですが、一方で地域の子どもからお年寄りまで交流するような地域に役立つ拠点づくりに関わることは、設計者冥利(みょうり)に尽きます。

 

―建築設計で大切にしていることはありますか。
われわれはゼロからものづくりをする仕事ですが、クライアントが何を求めているのか、何を欲しているのかを吸い上げ、思いを具現化することが大切だと考えています。自分たちの思いを詰め込みすぎず、クライアントの思いをくみ、求めている以上のものを作り上げるのが醍醐味(だいごみ)でもあります。

 

―社員の約半分が女性で、人材育成にも取り組んでいます。
建設、建築業界は従業員が高齢化していますが、わが社の平均年齢は約35歳と若手が多いです。子育て中の女性が多いこともあり、休暇取得や早退など柔軟に対応しています。社員の得意分野や興味を聞いて仕事を振り分けたり、成長できるようチャンスを与えたりする職場環境づくりを意識しています。資格取得のための勉強やセミナーの受講なども積極的に推進しています。

 

―関西と関東にも拠点を作って全国展開に本腰を入れると同時に、異業種の事業にも取り組んでいます。
データのやりとりでも仕事はできますが、全国に拠点を持つことで人との出会いが生まれ、情報も入ります。これからは別の事業の柱としてフランチャイズ事業を模索しています。全国展開している結婚相談所に加盟し、会社の1階を活用して相談所を本格的に始めます。建物の設計だけでなく、人生の設計もお手伝いしたいですね。

 

若者へ! 未来への希望はありますか? 将来の目標はありますか? 私は熱い想い、熱い心を持った若者に期待しています。

浦川英敏=鳥取県境港市出身(65歳)2012年に現職に就任
小学校5年生に建築士になることを決める。 2人の息子は学童から社会人まで野球を続け、追っかけをしていた。 座右の銘は”負けて勝つ”。技術者たる前に社会人たれ! 人間経営をモットーとしている。