人の本性は先天的に善とする「性善説」は約2300年前に古代中国の孟子が唱えた。その100年後、荀子が先天的に悪だと「性悪説」を唱えた。2人の思想家は生きている間なら荀子が評価された。
長く続いた戦国時代。蛮行が頻発する中、孟子が諸国を遊説して善を力説しても信じてもらえない。対して荀子は斉という国で厚遇された。しかし、後の世で評価は逆転する。孟子の思想が『論語』と共に儒教経典として尊重される一方、荀子はそうはならなかった。人間不信を前提に悪を説いては夢も希望もない。
実は両説は同じようなことを言っている。「人は元来、いいものを持っているので伸ばそう」というのが孟子。「人間は弱い存在で悪行に走りかねないから、心を鍛えて善に向かおう」が荀子。
「イランとは無条件降伏以外の合意を結ばない」「狂ったくずども」「今日何が起きるか見てみろ」…。トランプ米大統領に徳や節度は求めないが、独善的な言動がひどい。
「馬の耳に念仏」ということわざがあるが“大統領の耳に念仏”も当てはまりそうだ。性善説であれ性悪説であれ、ありがたい言葉も本人に聞く気がなければ結果は同じ。独善的なのは、「数の力」を背景に衆院で新年度予算案の採決を強行させた高市早苗首相も無縁でない。2人は現地時間19日にワシントンで首脳会談に臨む。多くの人の暮らしが懸かるだけに不安が募る。(板)














