座った姿勢での脚のストレッチの例
座った姿勢での脚のストレッチの例

 座っている時間(座位時間)が長いと血行不良などにより死亡リスクが高まるとされる。小山晃英京都府立医大講師、竹内研時名古屋大准教授らが国内の35~69歳の男女約6万人を7年余り追跡した研究では、日中の座位時間が2時間増えるごとに死亡リスクが15%高まるとの結果が出ている。休日の運動を増やしてもこのリスクはあまり減らないという。

 新型コロナウイルス流行を受け昨年4月7日~5月25日の緊急事態宣言期間中、座位時間はどれだけ増えたのか―。小山さんと竹内さん、大阪国際がんセンターの田淵貴大医師らはインターネットを通じ15~79歳の男女約1万2千人を対象に実態を調査した。

 宣言期間中の座位時間が宣言解除後の同6月よりも長かった人は全体の15%に上り、そのうち宣言を受けて在宅勤務を始めた人で座位時間の長時間化傾向が目立った。

 宣言を受け在宅勤務を始めた人は約1600人で、そのうち13%は座位時間が同年6月に比べ2時間以上長かった。在宅勤務開始に伴う座位時間の長時間化が最も目立ったのは営業・販売職で、次いで事務職、肉体労働職だった。

 小山さんらは「立った姿勢でもデスクワークができるよう高さを調節できる机を使うほか、こまめに動いて座位時間を減らすことが重要。座り過ぎによる血流障害や筋肉の衰えを防ぐには、座った姿勢での脚のストレッチなどが有効です」とアドバイスする。