イラン情勢について演説するトランプ米大統領=1日、ワシントンのホワイトハウス(AP=共同)
イラン情勢について演説するトランプ米大統領=1日、ワシントンのホワイトハウス(AP=共同)

 50歳になってすぐ、自分へのお祝いにと、世界最高峰ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演を見に行った。メインの曲はブラームスの交響曲第4番。第2楽章のゆったりした優美な調べの中で不覚にも寝てしまい、激しい最終第4楽章で目が覚めた。

 第2楽章は交響曲によくある緩徐楽章。印象的な第1楽章後、いったん落ち着かせ、安らぎを与えて活動的な後半に入る。緩急を付けるのに必要で数時間で終わる演奏会ならいいが、半年間に及ぶドラマでとなると…。

 明治の松江を舞台に、昨秋から放送が続いたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が終わった。途中の緩徐楽章に当たる週は「退屈だ」との意見もあったようだ。一転して終盤は目が覚めるほどテンポアップし、盛大な幕切れとなった。

 『ばけばけ』に限らず、交流サイト(SNS)を通じた直感的な評価が的外れだった、と後で分かることがある。今年1月、米国がベネズエラへの攻撃を始めた際、トランプ大統領の鮮やかな手際を称賛する向きがあった。その後、米国はイランを攻撃。大統領はきのう「核心的な戦略目的はほぼ達成しつつある」と演説した。だが、戦闘終結の見通しは立たないまま。原油市場は混乱し、その余波は遠く離れた山陰両県にも広がる。

 SNSで気軽に情報発信できる時代だからこそ、短絡的に感情を表すのではなく、じっくり考え、影響を見極めたい。(板)