偶然なのか必然なのか-。出雲市出身の大相撲元立行司で第38代木村庄之助の今岡英樹さんは、自らの定年となる65歳の誕生日が本場所の千秋楽と重なった。
相撲の始祖・野見宿禰(のみのすくね)の伝承が残り、相撲発祥の地とされる出雲出身であることに特別な使命感や運命を感じていた今岡さん。相撲の神様のお導きと感じたとしても無理はない。
さらに驚くべきことが起こった。自身の退職と入れ替わるように、所属していた高田川部屋に出雲市出身の有望力士が入門してきたのだ。岡田綾太朗さん(23)=しこ名は岡田。山下泰裕さん、井上康生さんら五輪金メダリストを輩出してきた東海大柔道部出身という異色の経歴を持つ。
今岡さんが最後に行司を務めた2024年秋場所後の九州場所で初土俵を踏むと、その後は1場所を除いて勝ち越しを続け、先月の春場所は初の幕下で迎えた。いきなり3連勝したかと思えば3連敗。最後の一番は柔道仕込みの首投げで劣勢を覆し、辛くも勝ち越した。まだ波はあるものの、160キロを超す恵まれた体格を生かして前に出る圧力は魅力的。柔道で鍛えたバランス感覚も相撲に生きていそうだ。
今岡さんの言葉を借りれば、必然とは「神様に守られて物事が理想通り運ぶこと」。目指すは隠岐の海(現君ケ浜親方)引退後、不在となっている島根県出身の関取誕生。精進を重ね、出雲と相撲の縁を「必然」と言わせてほしい。(矢)














