萬祥山焼の壺を鑑賞する来館者=出雲市浜町、出雲文化伝承館
萬祥山焼の壺を鑑賞する来館者=出雲市浜町、出雲文化伝承館

 出雲市浜町の出雲文化伝承館で、2023年に閉窯した出雲の伝統工芸「萬祥山焼(ばんしょうざんやき)」の150年の歩みをたどる展覧会が開かれている。暮らしに根付いた焼き物の魅力と美術工芸品としての価値を紹介する。5月31日まで。

 萬祥山焼は1872年頃、日野源左衛門が開窯した。1918年に継いだ孫の義長が、民芸調に転換。地元や国内はもとより、イタリアやスウェーデンなど海外でも高い評価を受けた。

 展覧会は窯元や個人コレクターの協力を得て127点を集めた。帯留めから花瓶やシュガーポット、松江大橋で使われていた高さ65センチの擬宝珠(ぎぼし)まで用途やデザインは幅広い。藤原雄高学芸員は「日常生活に美と潤いをもたらした美術工芸品としての側面を改めて見つめてほしい」と話した。

 同市高松町から訪れた勝部泰隆さん(93)は「立派なものを見せていただいた。素晴らしい」と感嘆し、孫で東京都在住の晴実さん(31)は「思っていたよりおしゃれでかわいらしい。七福神のポーズなんてかわいい」とほほ笑んだ。

 月曜休館。午前9時~午後5時。一般800円、高校生以下無料。茶室・松籟亭(しょうらいてい)で萬祥山焼の茶わんで抹茶を楽しめる(料金別)。 (今井菜月)