11日放送『建もの探訪』より 屋内の半分以上が吹き抜け(C)テレビ朝日
11日放送『建もの探訪』より 屋内の半分以上が吹き抜け(C)テレビ朝日

 俳優・渡辺篤史が案内役を務めるテレビ朝日系の人気番組『渡辺篤史の建もの探訪』(毎週土曜 前4:25)11日放送は、東京都日野市に建つ澤内邸を訪れる。北斜面の敷地条件を生かし、直線的な構成と“ハコ形”の空間が際立つ住宅で、吹き抜け6メートルの大空間と庭との連続性が見どころとなる。

【写真】開放感たっぷり!庭の高さにある水平連続窓

 丘陵の住宅地に建つ澤内邸は、傾斜地に対して一般的な擁壁を用いず、高く立ち上げた基礎で土留めする構成を採用している。南側には植栽豊かな庭が広がり、隣接する住宅と高さを揃えるように計画されることで、建物の“ハコ形”の輪郭がより強調される設計となっている。外観は直線と面構成が際立ち、周囲の環境の中で静かな存在感を放つ。

 西面の玄関から内部に入ると、高い天井を持つ約4.5畳の土間空間が広がる。そこから一段上がった場所には造作の本棚と机を備えたスタディスペースが配置され、生活の起点として機能する。さらにその上階層へと視線が抜けることで、外観と呼応するような巨大な“ハコ”状の内部空間が立ち上がる構成だ。合板を主体としたシンプルな内装が、空間の直線性と素材感を際立たせている。

 屋内の約半分以上は吹き抜けとなっており、最大天井高は6mに達する。1階は敷地の傾斜に沿って4段階の床レベルが設けられ、玄関からスタディスペース、リビングダイニング、キッチンへと緩やかに展開する構成となる。南面には端から端まで伸びる水平連続窓を設け、床ではなく庭の高さに視線を揃えることで、屋内と外部空間の境界を曖昧にしている点も特徴的だ。

 北側には個室や収納、水回りといった機能空間を集約し、天井高を抑えた落ち着いた領域としてまとめられている。対照的に南側は開放的な空間が広がり、光と視線が抜ける構成となる。2階は将来的な変化に対応するフリースペースとして計画され、1階の連続窓からは庭の風景のみが切り取られる。直線と余白によって成立する“ハコ住宅”の思想が、全体を通して一貫している。

竣工:2025年3月
敷地面積:179.8平方メートル(54.4坪)
建築面積:72.8平方メートル(22.0坪)
延床面積:102.6平方メートル(31.0坪)
構造:木造在来工法
設計:滝沢茂雄/滝沢茂雄建築設計事務所