岡山大学は19日、カラスの黒さに関する研究結果を公表。カラスはなぜ、あれほど黒いのか。身近でありながら長年謎とされてきた問いに、分子レベルから迫る新たな発見があったとした。
【画像】カラスの謎が明かされる… MC1Rによるメラニン合成調節のしくみ
学術研究院環境生命自然科学学域(理)の竹内栄教授、相澤清香准教授らの研究グループが、羽の色を決める受容体「MC1R」に着目。その機能解析から、黒さを生み出す“スイッチ”であるMC1Rが、カラスでは切れることなく入り続けている可能性を明らかにした。
鳥の羽や動物の体色は、主に黒色系のユーメラニンと赤褐色系のフェオメラニンのバランスで決まる。このバランスを調整するのがMC1R、いわば“色の切り替えスイッチ”だという。通常はホルモン刺激によって一時的にオンになり、ユーメラニンの合成を促す。
研究では、ハシブトガラスのMC1Rを培養細胞で詳細に解析した結果、ホルモンがなくても高い活性を保ち、ホルモン刺激への応答が弱いことが判明したという。カラスでは、このスイッチ自体が常にオンの状態にあり、ユーメラニンが作られ続けていると考えられるとした。さらに、マウスやニワトリでは1アミノ酸置換で生じる「止まらないスイッチ」が知られているが、カラスでは複数のアミノ酸変化の組み合わせで生じている可能性が示されたという。
「本研究は、野生の黒い鳥でこの仕組みを実験的に示した初めての成果です。カラスの黒さの謎に新たな答えを与えるとともに、生き物の色の収斂進化に関する重要な発見といえます」とする。
同研究成果は、2026年4月6日に国際学術誌「General and Comparative Endocrinology」オンライン版に掲載されている。
■研究者からひとこと
カラスの羽はなぜ黒いのでしょうか。全身が黒いカラスは古くから神の使いとして語られ、黒い羽の理由も太陽に焼かれたためなどと説明されてきました。私はこの謎に博士前期課程の研究として取り組み、現代の科学で解明を試みました。カラスに魅せられ、この問いに関心を抱いてきたひとりのカラス好きとして、結果が出てうれしい限りです(大学院環境生命科学研究科博士前期課程修了生の中野さん)。
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