短歌 宮里 勝子選

バランスの怪しきさまにゆく老いの片足立ちで靴下履けり     出 雲 神門  晃

 【評】体の重心がとりにくくなり、ふらつきを覚えながらも立ったまま靴下が履けるように日々努力しておられる前向きな作者。自分を鼓舞しながらまだまだできるといった喜びが結句の履けりの詠嘆に込められています。

夢うつつ理容室での一時は目覚めて映るしゃんとした顔      松 江 柳浦 洋治

 【評】素直な心が写し出されて気持ちの良い一首。理容室に入った時と出る時の表情が一変しているのが手に...