海外渡航者向けワクチン接種証明書の電子申請イメージ
海外渡航者向けワクチン接種証明書の電子申請イメージ

 デジタル庁運営のシステムを活用し、海外渡航者向け新型コロナウイルスワクチンの接種証明書を電子申請できるようにした市区町村数は、全体の1%に当たる20にとどまることが26日、同庁のまとめで分かった。大半は「使い勝手が悪く、業務が煩雑になる」などと活用を見合わせている。年末までには別のシステムが稼働予定で、さらに必要性が低下しそうだ。

 システムは8月下旬に運用が始まった。9月22日時点で活用している20市区町村では、マイナンバーカードを所持している住民であれば、専用サイト「マイナポータル」を通じて接種証明書の交付を電子申請できる。

 普及が進まないのは、今のところ全国共通の接種証明書は海外渡航者向けの紙製しかなく、電子申請しても受け取るには市区町村の窓口に出向くか、郵送してもらわなければならないのが大きな要因となっている。

 特に郵送で受け取るには、電子申請とは別に証明書を入れる返信用封筒と切手を役所に送らなければならないケースが大半。システムの決済機能が十分に整っていないためだ。千葉県いすみ市は電子申請を受け付けているが、24日時点で利用は0件。担当者は「封筒や切手の代金をオンラインで支払えない不便さは課題」と指摘した。

 また活用を見合わせた複数自治体によると、電子申請があった場合、データをダウンロードして印刷しなければならず、窓口や郵送で申請書を受け付けるより事務量が増える。九州地方の市職員は「手間が増える上に利用が見込めない」と語った。デジタル庁ではなく民間のシステムを活用する自治体もある。

 接種証明書は年末までに国内用も発行される。デジタル庁は海外渡航者向けも含めてスマートフォンで電子証明書を申請、受け取り可能な新システムを稼働予定。その後も紙の証明書を電子申請したい人のため、現在のシステムは残すという。