ノンフィクション、医療関係などの書籍が並ぶ店内=米子市西町、鳥取大医学部付属病院
ノンフィクション、医療関係などの書籍が並ぶ店内=米子市西町、鳥取大医学部付属病院
テープカットする原田省病院長(左)と田崎健太さん〓(?)米子市西町、鳥取大医学部付属病院
テープカットする原田省病院長(左)と田崎健太さん〓(?)米子市西町、鳥取大医学部付属病院
ノンフィクション、医療関係などの書籍が並ぶ店内=米子市西町、鳥取大医学部付属病院
テープカットする原田省病院長(左)と田崎健太さん〓(?)米子市西町、鳥取大医学部付属病院

 鳥取大医学部付属病院(米子市西町)の外来棟1階に28日、鳥大発ベンチャー企業「カニジル」がセレクト書店を開店した。ノンフィクション、医療、QOL(生活の質)関係の約5千冊を扱う。歌人の俵万智さんや吉本興業の大崎洋会長ら各界の著名人約100人が選書し、一般書店とは趣の異なる構成。誰でも利用でき、大学病院から読書文化を発信する。(山根行雄) 旧院内図書室を大幅改装した50平方メートル。小説家や出版編集者、映画監督、写真家、医学博士ら多士済々の選書委員が薦める書籍のほか、委員執筆作も並ぶ。

 子育て世代の利用も念頭に、児童文学研究者の野上暁さん監修の児童書棚を設置。子どもの趣味や好奇心に応える図鑑コーナーも設け、家族連れで楽しめる。

 カニジルはノンフィクション作家で、鳥大病院広報誌の編集長を務める田崎健太さんらが今春設立したメディアミックス事業会社。

 多くの市民が利用する病院を公共の場と位置付け、良書に接することができる書店として開いた。

 大相撲が題材の小説「櫓(やぐら)太鼓がきこえる」で第33回小説すばる新人賞を受賞した、境港市在住の鈴村ふみさんが店長を務める。

 28日の開所式で原田省病院長は「長年の夢だった院内書店が実現した」と喜び、田崎さんは「日本のどこにもない本屋にしたい」と意気込んだ。

 鈴村さんは「話題の新刊本とかベストセラーが並んでいる店ではないが、各選書委員がとっておきの本を選んでおり、多くの方にお気に入りの一冊を選んでほしい」と呼び掛けた。

 営業時間は平日の午前9時~午後5時。