2020年、最後のコラムです。元旦を迎えた頃には思いもしなかった新型コロナウイルス感染症による生活の変化。僕自身にも大きな動揺がありました。
これまで何年もの歳月をかけて、たくさんの方々と必死になって「映画館で見てもらう作品」を制作しているにもかかわらず、その映画館が営業できない環境になるかもしれない。ある程度のソフトの問題は想定できていても、ハードの問題は全く想定できていなかったからです。
発奮興起して、気持ちで推進させるのが僕のスタイルなのに、いつしか思考力が低下し、肝心の言動・行動にまで影響を及ぼしかねない時期がありました。そんな時に支えとなったのが、本作を応援してくださる方々から連日届く温かいお言葉の数々。「こんな時代だからこそ、本作の完成を楽しみに、ずっと待っています」と本作の劇場公開を心から楽しみにしてくださる方々。そして、僕にとって懸命に駆ける原動力となっているふるさとのみなさんの存在のおかげで、今年も全力疾走できました。
どのお言葉も、どの出来事も、支え続けてくれるみなさんの存在は、決して忘れることはありません。コラムタイトル「ご縁の成る記」にもある“ご縁”というものは、懸命に駆けている最中に起こり得る“ご褒美”のようなものだと僕は思っています。直接的でも、間接的であっても、本作と関わるすべての方々に感謝の思いをつづり、今年最後のコラムとさせていただきます。
勝負の2021年も初心を忘れる事なく、感謝を忘れず、公開日を迎えるその日まで、本作に貢献し続けていけたらと思います。みなさんにもたくさんの幸せが訪れぇやに。ちょんぼし早いだども、よいお年をお迎えください! そんな思いを原画に込め、カンナの作画を添えておきます。ほんに感謝しちょうますけんね!
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みしま・てっぺい 『神在月のこども』企画・プロデューサー。1979年、松江市出身。cretica universalでは映画、漫画、テーマパークなどさまざまなシーンで企画・プロデュースを担当。