インフルエンザの発生状況
インフルエンザの発生状況

 冬を控え専門家らがインフルエンザの予防策を徹底するよう呼び掛けている。昨季に比べて、感染が広がる可能性があるためだ。アジアの一部で感染者が出続けているのに加えて、昨季に国内で流行が起きなかったために十分な免疫を持たない人が多いことが懸念材料となっている。

 国立感染症研究所の長谷川秀樹インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター長は「マスク着用や手洗いといった予防策は重要。ワクチン接種も免疫を上げるためにとても有効だ」と話す。

 インフルエンザの発生状況は、全国5千カ所の定点医療機関から報告を受け、厚生労働省が9月から毎週公表。昨季は、新型コロナウイルス対策で海外との往来を制限したり、マスクの着用や手洗いを徹底したりした影響で感染者が非常に少なかった。今季もこれまでの報告数は1週間当たり多くても10人で、例年の数百~数千人と比べて大幅に少ない。

 6~8月が冬のオーストラリアでは昨季と同様に感染者数は少なかったが、日本感染症学会はインドやバングラデシュなどアジアの一部では今年持続的に流行が起きていることを警戒している。

 新型コロナ向けの水際対策で海外からの入国者は減っているが、完全にウイルス流入を防ぐのは難しい。昨季に国内で流行が起きなかった影響で、日本人全体として免疫が落ちているとみられ、長谷川さんは「流行を起こす素地はある」と警鐘を鳴らす。

 ワクチン接種は10月から始まっている。厚労省によると、今季の供給量は昨季より少なく、供給のペースは遅くなる見込みだ。ただ、担当者は「例年の使用量と同程度は確保している。当初は予約が取りづらいかもしれないが、焦らずに予約が取れたタイミングで接種してほしい」と話す。