益田市にUIターンした夫婦が、2008年に閉館した映画館「デジタルシアター益田中央」(あけぼの東町)の復活に動きだした。年明けの営業開始を目標に機材や設備の更新資金集めに奮闘。「映画館の空白地帯」となった島根県西部に大スクリーンで見る楽しさを取り戻そうと、市民にも協力を呼び掛ける。 (石倉俊直)

 視覚・聴覚障害者も楽しめる映画館「シネマチュプキタバタ」(東京都北区)の支配人だった和田浩章さん(31)=千葉県市川市出身=と、妻の更沙さん(38)=益田市出身=が復活を思い描く。

 東京で働いていた更沙さんは、いずれ古里に帰ろうと考えていたところ、益田中央の閉館を知った。子どもの頃、話題作「タイタニック」などを見た思い出のある館で「地元のために何かできないか」との思いが芽生えた。

 和田さん夫妻に転機が訪れたのは18年。シネマチュプキタバタで...