空き店舗を改装して開業したふくまるオフィス=松江市伊勢宮町
空き店舗を改装して開業したふくまるオフィス=松江市伊勢宮町
繁華街に活気を取り戻したいと語る福島将美さん=ふくまるオフィス、松江市伊勢宮町
繁華街に活気を取り戻したいと語る福島将美さん=ふくまるオフィス、松江市伊勢宮町
空き店舗を改装して開業したふくまるオフィス=松江市伊勢宮町
繁華街に活気を取り戻したいと語る福島将美さん=ふくまるオフィス、松江市伊勢宮町

 松江市最大の繁華街がある伊勢宮地区に、リモートワークなどで利用できるシェアオフィスが誕生した。新型コロナウイルスの感染拡大で夜の街を歩く人が減る中、新たな人の流れを呼び込もうと飲食店の経営者が新規事業で立ち上げた。同じように苦しむ飲食業の仲間が集い、相談し合える場としての活用も見込む。 (今井菜月)

 開設したのは、居酒屋やそば店などを経営する「ふくまる」(松江市伊勢宮町)社長の福島将美さん(46)。

 伊勢宮にある店舗の売り上げはコロナ前の一昨年と比べ7割減の水準で、客足の戻りは鈍い。地区一帯で知り合いだけでも10軒が店を閉じ、厳しさを目の当たりにしてきた。

 失った活気を取り戻すためには新しい業態で人を呼び込むことが必要と考え、昼間に利用してもらえるシェアオフィスにたどり着いた。新大橋通り沿いで8年近く活用されていなかった空き店舗(2階建て、延べ約80平方メートル)を賃借し、100万円かけて改装。「ふくまるオフィス」と名付け、10月に開所した。

 個室10部屋に加え、会議室として使えるコワーキングスペースがあり、料金は2時間500円。1日使い放題は千円、月額は5千円と気軽に使ってもらえる価格を設定した。月70人の利用を見込み「ここで仕事を終えた後はそのまま、近くで一杯やって帰ってほしい」と期待する。

 福島さんは、東京で小規模飲食店コンサルタントのセミナーを修了し、講師として全国を回る別の顔を持つ。コロナの影響に必死に耐え、打開策を模索している経営者は地元にも多くいる。オフィスで相談に応じたり、情報を交換したり「商売で培ったノウハウを今こそ還元したい」と願う。街と人、人と人が出会う起点となる場として、じっくり育てていくつもりだ。