島根県内有数の強豪校として知られる石見智翠館高校吹奏楽部(江津市渡津町)が14、23日に県西部3カ所で定期演奏会を開く。新型コロナウイルス禍以降、一般の観客を対象に開くのは初めて。東日本大震災後に注目された「復興」など9曲を披露し「コロナに負けない」のメッセージを伝える。 (板垣敏郎)
部員72人の吹奏楽部は、今年の全日本吹奏楽コンクール県大会で最優秀賞、その後の中国大会で金賞を受賞した。昨年はコロナ禍で全日本コンクールが中止されたのに加え、演奏会は保護者のみ入場可能の4回だけ。毎年70回以上開いており、ステージに立てない厳しい日々が続いた。
「復興」は、明暗や静と動のコントラストが鮮やかな曲で、今年の全日本コンクールの自由曲に選んだ。部員がアイデアを出したミュージカル仕立ての「不思議の国のアリス」、石見神楽が題材の曲や踊りが楽しめる「CHISUI(チスイ)スペシャル」など多彩なステージを届ける。桑原凪部長(17)は「昨年の先輩たちの思いも乗せ、感謝の気持ちで演奏する」と話す。
14日は江津市総合市民センター(江津市江津町)、23日は大田市民会館(大田市大田町)でいずれも午後2時に開演する。入場料は千円で、中学生以下無料。問い合わせは石見智翠館高校、電話0855(52)2457。