【大山】北米の先住民が地区の入り口の目印や墓標として制作するトーテムポールを住宅街に立てるイベントが7日、鳥取県大山町長田であった。住民ら約70人が力を合わせて制作し、地域のにぎわいを願った。
芸術で町を盛り上げる「こっちの大山研究所」が2017年から毎年開く「イトナミダイセン芸術祭」の一環。北米先住民の風習にちなみ、地域に人を呼び込むシンボルとしてトーテムポールに着目。大山町赤松の森林で伐採した全長11メートル、幹の直径60センチ、重さ1・5トンのスギを使った。
テーマは「かえる」。動物のカエルが生まれてから成長し、死ぬまでの一連の流れを表現し、感謝の気持ちとより良い未来を願う気持ちを込めた。地元の大工らが1カ月ほどかけて形を整え、松江市在住の紙芝居アーティスト・よしとさん(39)がデザインして赤、白、黒の3色で塗り分けた。
集落の一角に深さ2メートルの穴を掘り、ポールをクレーンでつり上げて入れた。参加者が回りを土で固め、無事に立つと、歓声が上がった。
大山研究所の代表で長田地区に住む大下志穂さん(46)は「ポールが地域の象徴となって、たくさんの人に訪れてほしい」と話した。
(柴田広大)