灯油の小売価格の推移
灯油の小売価格の推移
灯油の小売価格の推移

 経済産業省が17日発表した 15日時点の灯油18リットル(一般的なタンク1個分)当たりの全国平均小売価格は、8日時点の前回調査と比べて1円高い1950円となり、2008年10月以来、約13年1カ月ぶりの高値を付けた。電気、ガス料金の値上げも続いており、暖房需要が盛り上がる冬場の家計に打撃となりそうだ。島根県は1円高い2016円、鳥取県は9円安い2千円だった。

 

 レギュラーガソリン1リットル当たりの価格は10銭安い168円90銭。11週ぶりの値下がりだが、高値水準が続いた。島根は横ばいの168円80銭、鳥取は20銭安い166円90銭。

 調査した石油情報センターによると、新型コロナウイルス禍からの経済活動再開が進んで原油需要が高まる中、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」が4日の閣僚級会合で追加増産の見送りを決めたことで需給が逼迫(ひっぱく)。円安進行で輸入価格が押し上げられたこともあり、灯油とレギュラーガソリンの小売価格が高止まりしている。

 発電燃料である原油などの価格高騰を反映し、大手電力10社と大手都市ガス4社はそろって22年1月の電気、ガス料金を21年12月と比べて値上げする見通しだ。全社値上げは5カ月連続。

 レギュラーガソリンは8日時点で169円ちょうどに上昇し、14年8月以来、約7年3カ月ぶりの高さとなった。15日時点でも依然高値圏にあり、政府は170円を超えた場合、石油元売り業者へ資金支援する方針だ。レギュラーガソリンだけでなく、灯油や軽油などの石油製品についても支援を検討する。

 地域別では、18リットル当たりの灯油が28道府県で値上がりした。上昇幅が最大だったのは北海道の57円。値下がりは15都府県で、4県は横ばいだった。

 レギュラーガソリンは24都道県で値下がりした。値上がりは13県で、10府県は横ばいだった。

 ハイオク1リットル当たりの全国平均小売価格は10銭安い179円70銭、軽油は20銭安い148円60銭だった。