看板を除幕し、握手する嘉戸隆町長(右)と尾田英登社長=島根県美郷町粕渕
看板を除幕し、握手する嘉戸隆町長(右)と尾田英登社長=島根県美郷町粕渕

 島根県美郷町に進出を計画していた鳥獣害対策機器製造販売のタイガー(大阪府吹田市)が1日、営業所を開設した。山くじら(イノシシ)をはじめとした鳥獣害対策に取り組む産官学が集う「美郷バレー」構想に参画。動物捕獲用おりの製造や電気柵など自社製品の展示販売、鳥獣害対策の相談に応じる。

 「美郷バレータイガー中国営業所」で、いきいき住民活動支援センター(島根県美郷町粕渕)の一部を町から借りて設けた。地元で雇用した2人を含め、3人体制で操業する。

 中国地方の拠点と位置付け、町内では鳥獣害対策の重点地区を決め、専門家とともに地区に合った対策に取り組む。同構想に参画する企業が町に進出するのは初めて。

 開設式で看板を除幕した尾田英登社長は「鳥獣害対策で最先端の町で役立つことができれば、全国どこでも通用する。駆け込み寺のような場にしたい」と話し、嘉戸隆町長は「美郷バレーの発展に弾みがつく」と歓迎した。

 同社は町と2019年に包括連携協定を交わし、20年に進出の合意書を締結。美郷バレー構想には、非鉄金属大手の古河電気工業(東京都)や獣医学系私大の麻布大(相模原市)など11団体が参画する。 (佐伯学)