「コツコツノート」について説明する酒井康生副部長=出雲市塩冶町、島根大医学部
「コツコツノート」について説明する酒井康生副部長=出雲市塩冶町、島根大医学部

 出雲市内で骨粗しょう症の治療に当たる病院勤務医や開業医、市が8日、ネットワーク組織「コツコツネット」を結成し連携を強める。骨折治療、リハビリ、再発予防という流れの中で患者が治療をやめて再び骨折するケースを防ぐため。関係者が一丸となり治療や再発予防に努める。
 骨粗しょう症は年齢を重ねるにつれ骨の強度が下がり骨折しやすくなる病気で高齢の女性に多い。骨折が治っても1年以内に骨折を繰り返しやすく、治療の継続が欠かせない。骨折治療後にリハビリができる病院に移り、その後、地域の診療所で再発予防の治療を続けるのが一般的な流れ。
 ところが、医療機関の連携がうまく取れなかったり患者の意思が続かなかったりして途中で治療をやめるケースが多いという。
 島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)によると、骨粗しょう症による骨折で2015年度に島根大病院を受診した40歳以上の患者は173人(男性33人、女性140人)。うち35人が過去にも骨折を経験していたが、治療を続けていたのはわずか4人だった。
 骨粗しょう症に関しては従来、生活上の注意事項などをまとめた患者向けのノートがあった。今後は病院間の連携をスムーズに行うため必要最低限の内容に絞った医師向けの「コツコツノート」で情報共有する。また、骨密度を測定する機器がある医療機関と連携して適宜、患者に治療効果を実感してもらい、治療継続の動機づけにつなげる。
 コツコツネットの事務局本部長に就く島根大病院リハビリテーション部の酒井康生副部長(51)は「この地域の医師が手を取りながらフラットな関係で診療する。継続的な治療の達成率が上がるのではないか」と期待する。
 (藤原康平)