かやぶき屋根のてっぺんを草が覆い、花が咲いているさまは風流でのどかだ。実はれっきとした建築技法で、「芝棟(しばむね)」という。かやぶき屋根が急速にその姿を消しつつあり、古来の伝統が廃れゆく中、法政大教授の山口隆子さんはライフワークとして調査研究に取り組んできた。「先人の知恵を今の環境課題の解決に生かせるはず」と熱く語る。(共同通信=瀬野木作)

 ▽1枚の絵はがきがきっかけ

 芝棟は、かやぶき屋根...