担保・保証を取って貸出債権を保全するだけの旧来型銀行モデルが崩壊し、これまでの金融サービスにとらわれず、地域の法人・個人顧客に付加価値を提供する「脱銀行モデル」への挑戦が地方銀行の生きる道となりつつある。

 その一つとして立ち遅れているのが、中小企業の事業承継支援だ。

 日本の中小企業は全企業の99%超を占める。創業200年を超える老舗企業は3千社も存在しており、世界的にも極めて珍しい。

 創業家とファミリービジネスの永続的な発展を支援するのがフィーモ(東京)だ。フィーモ代表の大澤真氏は日銀出身で那覇支店長を務めた経歴がある。海外でのファミリービジネスの重要性を痛感し、国内で起業。現在、複数の地域金融機関と提携してサポートに取り組んでいる。

 大澤氏によれば、これまでの事業承継サポートは目先の相続税対策ばかりで、後継者問題には、ほとんど手を付けてこなかったという。

 例えば、創業家には事業継承の必要性への意識が薄く、後継者候補は会社の将来性に望みが持てず、険悪な親族間の問題に飛び込む勇気がない、など「こころの相続」が手付かずのままとなっている場合がある。

 また、後継者は創業家から「将来の後継者」と明確に言われたこともなく、意思決定が場当たり的、属人的で「合意された公平なルール」もないケースも多い。

 さらには、後継者の...