新型コロナウイルスの影響で困窮する人向けに設けられた国の給付金の支給総額が、10月末時点で100億円を突破したことが11日までに、厚生労働省の集計で分かった。7月の制度開始以来、支給決定件数は9万件を超えたが、政府が当初想定していた約20万件に比べると半数以下にとどまっており、支給要件が厳しすぎるとの指摘が出ている。
給付金は3カ月で最大30万円が支払われる「生活困窮者自立支援金」。困窮者ら向けの特例貸付制度を使い切った世帯が対象で、政府は11月末までに最大で約20万世帯の利用を見込んでいた。一定頻度の求職活動や低収入であることなどが条件になっている。
10月末の支給総額は約137億円。支給決定件数を都道府県別に見ると、大阪府の2万5881件が最多。東京都1万6357件、兵庫県4619件などと続く。鳥取県が272件、島根県は58件で、27件の秋田県に次ぐ少なさだった。
厚労省はこれまで、2種類ある特例貸付制度を両方とも使い切った人を対象としていたが、申請を受け付ける社会福祉協議会などから「借金を重ねることで生活再建を妨げている」との意見が出ていた。
このため特例貸し付けのうち、最大60万円を2~3回貸す「総合支援資金」については、来年1月から2回目以降の貸し付けはせず、給付金を支払うよう改める。給付金は来年3月末まで申請を受け付けており、受給後も困窮状態が続いていれば、もう一度受け取ることができる。











