フジテレビ系列から選ばれる今年の第30回「FNSドキュメンタリー大賞」の大賞に、山陰中央テレビジョン放送(松江市向島町、TSK)制作の番組「命の選択~ALSとの闘い~」が選ばれた。同社の大賞受賞は初めて。
体を動かす神経が徐々に侵され全身の筋肉が動かなくなる難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者を取材した約1時間の番組。ALS患者は喉の筋肉が弱くなり、自発呼吸ができなくなった時、人工呼吸器を装着するかどうかを自ら決める。呼吸器を付けない場合は死を選ぶことを意味し、付ければ手足が動かず声を発することができないが生き続けることができる。
同社報道部の藤谷裕介ディレクター(38)が昨年7月から山陰両県の患者3人を中心に取材を重ね、厳しい選択に向き合う葛藤やそれぞれの希望を記録。生きる意味を問いかけた。
藤谷ディレクターは、新型コロナウイルスの感染拡大で誰もが死生を意識するようになったとし「ALS患者の思いを通じて生と死を考えるとともに、番組が難病治療薬の開発や生活支援の一助になればうれしい」と話した。
31日午前2時40分から、TSKで再放送する。
(多賀芳文)












