岸田文雄首相は18日、新型コロナウイルスの「オミクロン株」感染拡大を踏まえた水際対策強化措置に関し、少なくとも来年初めまで継続する方針を示した。東京都内で記者団に「実態が明らかになるまで、年末年始の状況を見極めた上で、その先について考える」と述べた。オミクロン株の情報が一定程度判明するまでの臨時措置名目で、年末までの「当面1カ月」としていた期間を延長する。

 政府は全世界を対象に外国人の新規入国を禁止しているほか、特定の国・地域から帰国する日本人らにも指定宿泊施設での待機を求めている。

 首相は17日、ワクチンの3回目接種について、医療従事者や高齢者ら約3100万人の接種間隔を前倒しすると発表。米製薬大手ファイザー社製の飲み薬200万人分の確保で基本合意したと明らかにした。記者団にこれらの対応強化策を挙げて「国民の不安を抑えるため、引き続き取り組んでいく」と強調した。

 首相は16日の参院予算委員会で「未知のリスクに対して慎重の上にも慎重に対応する」と述べ、オミクロン株の実態と危険性が一定程度明確になるまで水際強化措置を継続する考えを表明していた。

 オミクロン株を巡っては、米国から日本に帰国した東京都在住の女性の感染や、この女性の濃厚接触者に当たる男性の感染が確認されている。