新型コロナウイルスの影響で航空便はどこも厳しいが、益田市の萩・石見空港は際立っている。今年4~11月の羽田便利用率は平均26・5%。11月は45・6%まで持ち直したものの、年末年始を過ぎれば閑散期に入り、昨年度平均の26・7%を下回る恐れがある。採算ライン割れ路線を民間企業が維持するのか。空港は今が正念場だ▼その石見空港に今月11日、写真家ルーク・オザワさん(62)の姿があった。夕景と夜景を集めた来年の全日空カレンダーに、ルークさんが1年前に同空港で収めた写真が採用された。薄暗い山並みをバックに客室内が輝く最新鋭機が、淡い光を放つ誘導灯に映える。記念のサイン会は島根県内だけでなく、羽田便で首都圏からも多くのファンが訪れた▼半世紀近く航空機に向き合う航空写真の第一人者。羽田でサイン会を開けば1時間待ちはざらという人気ながら、コロナ禍で都市部での開催は困難に。今回は益田の民間団体「BOSS」の有田学代表が地道に魅力を伝え、2回目の開催につなげた▼石見空港は周囲に山々が広がり、高い建物や町明かりが入らない。ルークさんは「色と光が見極められる石見らしさがある」と、撮影地として一目を置く。「コロナで国際線仕様機が来てキャビンのLED照明がきれいに写った」▼写真は逆境にある空港の光明に見えた。ほかにも人を呼ぶ魅力は地域のどこかにあるはずだ。(釜)