新型コロナウイルス感染症の収束が見えないまま、2021年が幕を閉じる。混迷の世に希望と指針を与えた各界の立役者が今年も旅立ち、不帰の客となった。愛することの大切さを説いた作家・僧侶、ひたむきに生きる主人公の作品が国境を越え共感を呼んだ脚本家、世界の科学界をリードした研究者、そして「知の巨人」と呼ばれた評論家も。

 海外では、フランス映画の顔として大活躍した名優、鮮やかな色彩感覚で日本でもファンの多い米国の絵本作家…。哀惜の念をこめ、二度と会えない人たちの生のドラマに思いをはせる。(敬称略、年齢の次は死去した月日、芸名などは本名略、海外は現地時間)

 「夏の終り」「かの子撩乱(りょうらん)」など愛と人の業を描いた小説や心に寄り添う法話で知られた瀬戸内寂聴(99歳、11・9)。夫と娘を捨てて出奔、妻子ある作家と不倫、50代で出家―。...